2013年10月11日

物語としてのACー2

すねをさすりながら床にころがってしばらくじっとした。無造作に押し込まれている本棚、がちゃがちゃと細かなものが置かれているエレクター、弦が貼りっぱなしのギター、なんの資料か覚えていないが読もうと思って積み上げているプリントアウトの束が見えた。何種類かのアルコールが混合している重い霧の中で、ぼくは自分を探してみた。散らばってるCDはぼくが買ったものなのだろうか?それがどうして欲しかったのか思い出せない。壁にぶら下がっているシャツ、ジャケット、Tシャツは、ぼくが買ったものなのだろうが、他人のもののような気がした。全部誰かのものに思えて愕然とした。悲しい詩が頭の中で繰り返し鳴っているが、誰の曲かわからないでいた。
こたつの上にころがっている音楽テープをがさごそ手にとってみた。誰かに聞かせたかった曲、録音していることで安心していた曲、持ってないといけないと思っている曲、FMラジオ番組をまんま録音したものがある。自分で聞くために録音したものがない。
音楽も洋服も誰かのために選んでいる。そうやって選んだものは全部、的をはずしているように思える。ぼくは誰なのだ?
誰にかに言われて好きなものを決めるなんてばかばかしい。
十代の頃,その時の衝動を処理できない自分を毎日否定することで,なんとか平静を装っていた。そうすることで、期待通りの大人になると思っていた。いまにすごい人になるのだと思っていた。でも、それは、他人に合わせて、良い人になって、自分ではないものに向かうことになったのだろう。
酔っ払うたびに苦しい。ぼくは誰なのだ?
タバコくさいシャツとぬるいビールのひっかかったズボンのまま布団にもぐりこんだ。宿命的なにおいがして、とりあえず生きてる気がした。
posted by usaikuo at 09:19| 日記